夜9時、リビングのテーブルに置きっぱなしにしていた茶色い封筒を、宿題を終えた息子が手に取りました。
「ねえ、これ何の紙?」
「児童扶養手当の現況届だよ。毎年夏に届く書類なんだ」
「もらえるやつ?」
「実はうちは対象外なんだ。所得制限ってのに引っかかっていてね」
息子はきょとんとした顔で「へー、意外」と言って自分の部屋に戻っていきました。その一言がきっかけで、久しぶりに制度の中身をきちんと調べ直すことになりました。
児童扶養手当の所得制限が分かりにくい理由

児童扶養手当は、ひとり親家庭の生活を支える大切な手当ですが、「年収がいくらまでもらえるのか」が驚くほど分かりにくい制度です。理由は、判定基準が「収入」ではなく各種控除を差し引いた「所得」であること、扶養している子どもの人数によって基準額が変わること、さらに近年基準額そのものが引き上げられたことの3つが重なっているためです。ネット上の古い情報のままだと、今の基準と合わなくなっている場合もあるので注意が必要です。
所得制限は「収入」ではなく「所得」で判定される
結論から言うと、児童扶養手当の所得制限は、給与収入そのものではなく、給与所得控除や社会保険料相当額、寡婦控除などを差し引いたあとの「所得」で判定されます。同じ年収400万円でも、控除の内容次第で対象になる人とならない人が出てくる仕組みです。判定は「全部支給」「一部支給」「支給停止」の3段階に分かれていて、扶養している子どもの人数が増えるほど、基準となる所得のラインも上がっていきます。
近年、基準額が引き上げられている
近年、所得制限の基準額が引き上げられ、これまで対象外だった世帯の一部が新たに支給対象になったり、一部支給から全部支給に変わったりするケースが出てきました。基準額は毎年見直される可能性があるため、数年前に「対象外」と言われた経験があっても、今の基準で改めて確認する価値はあります。正確な金額は年度ごとに変わるため、お住まいの自治体窓口や厚生労働省のホームページで最新の早見表を確認することをおすすめします。
具体的な金額は自治体や年度によって示され方が異なりますが、扶養している子どもの人数が増えるほど基準となる所得のラインも上がっていく仕組みは共通しています。制度の大枠を理解しておくだけでも、窓口で相談するときの心理的なハードルはぐっと下がります。
私が窓口で確認した3ステップ

結論として、私は次の3ステップで自分の状況を整理しました。この順番で確認すると、迷わず窓口で相談できます。
ステップ1 収入から「所得」を計算する
まず、源泉徴収票や課税証明書を見ながら、給与収入から給与所得控除などを差し引いた「所得金額」を確認しました。会社員の場合、課税証明書に所得金額がそのまま記載されていることが多く、自分で計算しなくても済む場合があります。
ステップ2 扶養している子どもの人数を確認する
次に、扶養している子どもが何人かを確認しました。我が家は息子1人なので基準はシンプルでしたが、扶養人数が増えるごとに基準となる所得のラインも変わるため、きょうだいがいる家庭は人数を正確に把握しておく必要があります。
ステップ3 自治体窓口や早見表で判定する
最後に、区役所の窓口で所得証明を見せながら相談しました。窓口では、扶養人数と所得金額を伝えるだけで、全部支給・一部支給・対象外のどこに当てはまるかをその場で教えてもらえます。15分ほどで結果が分かり、モヤモヤしていた気持ちが一気に晴れました。
私自身は対象外でしたが、確認して良かったこと
私の場合、会社員としての手取り収入に加えて、遺族年金や不動産の家賃収入もあり、所得制限を超えていて児童扶養手当は対象外でした。それでも窓口で確認しに行ったのは、制度を知らないまま「どうせもらえないだろう」と思い込むのがもったいないと感じたからです。
「うちはもらえないの、損した気分にならない?」
「ならないよ。使える制度を知っておくこと自体が、家計を守る力になるからね」
この会話をしたあと、児童扶養手当だけでなく、ひとり親控除や医療費控除など、他に使える制度も改めて棚卸しするきっかけになりました。ひとつの制度を確認する行動が、家計全体を見直す入り口になることを実感しています。
まとめ
最後に、今回確認して分かったポイントを整理しておきます。
- 児童扶養手当の所得制限は「収入」ではなく各種控除後の「所得」で判定される
- 全部支給・一部支給・支給停止の3段階があり、扶養人数によって基準が変わる
- 近年基準額が引き上げられ、対象範囲が広がった
- 収入から所得を計算し、扶養人数を確認したうえで、自治体窓口や早見表で判定するのが確実
- 対象外でも、確認しておくことで他の制度の棚卸しにつながる
最新の基準額や判定は自治体ごとに案内が異なる場合があるため、最終的な確認はお住まいの窓口で行うことをおすすめします。あわせて、ひとり親控除や医療費控除など、使える制度をまとめて棚卸ししておくと、家計の不安をさらに減らせます。


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