ひとり親の節税、夏のうちにやる3ステップ|シングルパパの準備術

Elderly man wearing eyeglasses reading documents next to a laptop at home. お金・資産形成

夜9時、リビングのテーブルにレシートの山を広げていた私に、お風呂上がりの息子が声をかけてきた。

「それ、ぜんぶお金の紙?」「そう。秋になったら税金の計算をするから、今のうちに整理してるんだ」「めんどくさそうだね」「うん、めんどくさい。だから今やってるんだよ」

毎年12月になると、レシートの整理と書類探しに追われて週末がつぶれていた。今年は梅雨明け前のこのタイミングで、節税の下準備を始めることにした。この記事では、ひとり親家庭が夏のうちにやっておくと年末がぐっと楽になる節税準備を、3つのステップで紹介する。

なぜ夏のうちに節税準備をしておくべきなのか

結論から言うと、節税で損をする一番の原因は「制度を知らないこと」ではなく「年末に書類を集めきれないこと」にある。ひとり親控除も医療費控除もふるさと納税も、使える制度自体はシンプルだ。だが申告のタイミングで領収書が行方不明になったり、上限額の計算が間に合わなかったりして、結果的に控除を取りこぼす人が多い。仕事と子育てで毎日が手一杯なひとり親家庭ほど、夏のうちに仕組みを作っておく価値が大きい。

ステップ1|ひとり親控除を取りこぼさない仕組みをつくる

まず確認したいのが、勤務先の年末調整でひとり親控除がきちんと適用されているかどうかだ。控除自体は所得税で35万円、住民税で30万円とまとまった金額になるが、毎年「扶養控除等申告書」に自分で記入しないと反映されない。私は6月に届く住民税決定通知書を見て、前年分が正しく反映されているかをまず確認するようにしている。もし漏れていた場合でも、5年以内であれば還付申告で取り戻せる。今のうちに過去の通知書を引っ張り出して、控除額が想定通りになっているか一度見ておくと安心だ。

ステップ2|医療費控除の領収書を夏のうちに仕分けする

医療費控除は1年分の領収書を年末にまとめて探そうとすると、ほぼ確実に何枚か紛失している。私が実践しているのは、月初に封筒を1枚用意して、その月の医療費領収書を入れていくだけのシンプルな方法だ。封筒には月を書いておき、半年に一度、夏と冬にざっと中身を見直す。これだけで、12月にレシートの山と格闘する時間がゼロになった。歯医者や薬局の領収書は捨てられがちだが、市販薬でも対象になるものがあるため、迷ったらとりあえず入れておくのがコツだ。

ステップ3|ふるさと納税の上限額を夏にシミュレーションしておく

ふるさと納税は年収が確定する年末にならないと正確な上限額が分からないと思われがちだが、夏のボーナス時点でおおよその年収は見えてくる。ひとり親控除を加味したシミュレーションサイトで概算を出し、上限額の7割程度を夏のうちに申し込んでおくと、年末の駆け込み注文で人気の返礼品が品切れになる心配もなくなる。残り3割は年収が確定する12月に調整すればよい。住民税決定通知書の数字をシミュレーターに入力するだけなので、作業時間は10分もかからない。

実体験|息子と一緒に「節税ボックス」を作った話

レシートの整理をしていたあの夜、息子がふと言った。

「箱とか作ったら、なくならないんじゃない?」「それ、いいアイデアだな」「ぼくも手伝う」

翌週末、100円ショップで仕切り付きのボックスを買い、医療費・ふるさと納税・その他控除関係の3つに分けて領収書を放り込む仕組みを一緒に作った。子どもが手伝ってくれたおかげで、レシートを見るたびに声をかけてくれるようになり、紛失がほぼなくなった。完璧な家計管理を目指すよりも、子どもを巻き込んで仕組み化したほうが続けやすい。あの一言がなければ、今年も12月にレシートの山と格闘していたはずだ。

なお、節税の制度や控除額は税制改正で変わることがあるため、本記事の内容は参考情報として捉え、実際の申告にあたっては最新の情報を確認し、最終判断は読者自身の責任で行ってほしい。不安な場合は税務署や税理士に相談するのが確実だ。

まとめ

  • 節税で損をする原因は制度を知らないことより、年末に書類を集めきれないことにある
  • ひとり親控除は住民税決定通知書で反映状況を確認し、漏れがあれば還付申告で取り戻せる
  • 医療費控除は月ごとに封筒で仕分けておくと年末の作業がゼロになる
  • ふるさと納税は夏のボーナス時点で上限額の7割を申し込み、残りは年末に調整する
  • 子どもを巻き込んだ仕組み化のほうが、完璧な管理よりも長続きする

夏のうちに小さな仕組みを一つ作っておくだけで、年末の自分がぐっと楽になる。今日からできることを、一つだけ始めてみてほしい。


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