夏休みに入って間もない夜のことだ。洗い物を終えてダイニングに座ったとき、ふと気がついた。
コーヒーカップが3時間前から同じ場所に置いてある。飲んでいない。飲む気力すら、なかった。
時刻は夜11時。仕事のメール対応、洗濯物の片付け、翌朝の弁当の下ごしらえ。やるべきことはまだ残っている。でも、体が動かない。
そういえばその夕方、息子がこんなことを言っていた。
息子:「パパ、最近なんか元気ないね」
私:「え、そう? 普通だよ」
息子:「でも最近、ため息ついてるし、ご飯のとき上の空だから」
小4の子どもに、見透かされていた。
その一言が、自分の状態を客観視するきっかけになった。メンタルが崩れているのに、気づかないふりをしていた。この記事では、ワンオペで子育てをしながら私がメンタルを立て直してきた3つの習慣を、正直に書いていく。
シングルパパのメンタルは「静かに」崩れていく

シングルパパのメンタルは、ある日突然折れるのではない。毎日の積み重ねの中で、じわじわと削られていく。気づいたときには、修復するエネルギーすら残っていない——そういう状態に陥りやすい。
私がワンオペで小4の息子を育てながら実感してきたのは、「孤独感」「疲弊の慢性化」「自己否定の繰り返し」という3つのサイクルだ。
仕事でトラブルがあっても、帰宅したら親に切り替える。子どもが体調を崩せば仕事のスケジュールを調整する。誰かに愚痴を言える時間も、話を聞いてもらえる相手も、いつもあるわけじゃない。
特に夏休みのように、子どもと過ごす時間が一気に増える時期は、仕事との両立プレッシャーも増して、心の消耗が加速しやすい。ひとりで背負っているという感覚が少しずつ心を削っていく。そしてある日、コーヒーを飲む気力すらなくなっていることに気がつく。これが、シングルパパのメンタルが崩れていくパターンだ。
私が実践している「心を立て直す」3つの習慣
完璧にやろうとしないこと。それが出発点だった。以下の3つを習慣にしてから、心の底に溜まっていた重さが少し軽くなった。難しい方法は何もない。むしろ、シンプルだからこそ続けられている。
習慣1|「今日できたこと」を1行だけ書く
シングルパパは、「できなかったこと」に目が向きがちだ。弁当を手作りできなかった。宿題のサポートが足りなかった。今週は公園に連れていけなかった。そういう反省が積み重なると、自分が「何もできていない親」に見えてくる。
私がやり始めたのは、寝る前に「今日できたこと」を1行だけスマホのメモに書くことだ。内容はどんな小さなことでもいい。「弁当を作った」「息子と10分話した」「洗濯を回した」。それだけでいい。
小さな達成感を積み重ねることで、自己否定のループから少し抜け出せるようになった。完璧主義の自分には最初は物足りなく感じた。でも続けているうちに、「今日もちゃんとやった」という感覚が少しずつ積み上がっていった。
習慣2|「完璧な親」の幻想を手放した
完璧主義はシングルパパのメンタルを最も消耗させる。仕事でPMをしているせいか、私は「段取りよくこなせる親」でなければならないという思い込みが強かった。
ある日、夕食後に息子とこんな会話があった。
息子:「パパって料理ヘタだよね」
私:「……まあ、そうかもな」
息子:「でも毎日作ってくれるじゃん。それでいいよ」
その言葉に、肩の荷がすっと降りた気がした。料理が上手な親でなくていい。何でもこなせるスーパーパパでなくていい。「毎日ちゃんとそこにいる親」で十分なんだと、9歳の息子に気づかせてもらった。
「70点でいい」と決めてから、心に余白が生まれた。余白があるから、少し立ち止まって考えられる。余白があるから、息子の話をちゃんと聞ける。完璧を目指していた頃より、今のほうが間違いなく良い親でいられていると思う。
習慣3|週1回、子どもが寝た後に「自分だけの30分」を作る
息子が寝た後の30分を、週に1回だけ自分のためだけに使うと決めた。
仕事のことを考えない。家事もしない。ただ好きなことをする時間。私の場合は好きな音楽を聴きながらコーヒーをゆっくり飲む、それだけだ。
最初は「こんなことをしている時間があるなら家事を片付けるべきでは」という罪悪感があった。でも、この30分があるかないかで、翌朝の気持ちの軽さが全然違う。
仕事のPMとして学んだことのひとつに「リソースには限界がある」という事実がある。プロジェクトもそうだし、人間もそうだ。自分のメンテナンスを後回しにし続けると、いずれパンクする。週1回の30分は、私にとっての「メンテナンスの時間」だ。
子どもはパパの状態を思った以上に見ている

3つの習慣を続けて数か月が経った頃、メンタルが安定してくると子どもへの接し方も変わっていることに気づいた。余裕がない状態では、些細なことで語気が強くなってしまっていた。それが減った。
あのコーヒーが冷めていた夜から半年が経った。完璧な親にはなれていない。弁当を買ってすませる日もある。宿題のチェックが甘い日もある。それでもある日、息子からこんな言葉をもらった。
息子:「パパ最近元気そうだね」
私:「そう見える?」
息子:「うん。なんか顔が違う。前より笑ってる気がする」
その一言が、続けてきた3つの習慣を肯定してくれた。子どもは、親が思っている以上に親の状態を見ている。だからこそ、自分のメンタルを整えることは、子どものためでもある。「自分を大切にする」ことを、罪悪感なく続けていい。そう思えるようになった。
まとめ:完璧を手放したら、少し楽になれた
- シングルパパのメンタルは突然ではなく、じわじわと崩れていく
- 「今日できたこと」を1行書くだけで、自己否定ループを断ち切れる
- 「完璧な親」をやめたら、心に余白が生まれた
- 週1回・30分の「自分だけの時間」が、翌朝の気持ちを変える
- 子どもはパパの状態を思った以上に見ている
ワンオペで走り続けてきた自分に、まず「70点でいい」と言ってあげてほしい。それが、長く続けるための土台になる。シングルパパの日々の仕組みづくりや子育ての実録を、このブログでは引き続き発信していく。


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