テレワーク子育て支援|シングルパパPMが実践した在宅勤務術3ステップ

A father and baby sitting on a carpeted floor, interacting with a laptop in a cozy setting. 時間術・仕組み化

火曜日、午後3時50分。オンライン会議を終えてリビングに降りると、玄関で靴を脱いでいる息子と目が合った。

「あれ、今日早くない?」
「テレワークの日だから、学童じゃなくて家に直接帰ってきていいよって言ったでしょ」
「あ、そうだった」

息子は少し驚いた顔をしたあと、すぐにランドセルを玄関に置いてリビングのソファに飛び込んだ。普段なら学童のお迎えで顔を合わせるのは午後6時過ぎ。この日は2時間以上早く、息子の「今日あったこと」をゆっくり聞く時間ができた。

テレワークというと「家で仕事ができて子育てもしやすくなる制度」というイメージを持たれがちだが、実際にはそう単純ではない。在宅勤務ができることと、子育てに使える時間が本当に増えることの間には、見落とされがちな仕組みの工夫がある。この記事では、大手IT企業でPMとして働きながら息子を育てている私が、テレワークと社内の子育て支援制度を組み合わせて、平日に子どもと向き合える時間を週5時間以上増やしてきた具体的な3ステップを紹介する。

テレワークがあっても子育てとの両立が楽にならない理由

結論から言うと、テレワークは「在宅にいる時間」を増やすだけで、子育てに使える時間を自動的に増やしてくれるわけではない。むしろ「家にいるなら対応できるだろう」という前提でチャットの返信や会議が増え、画面の前に拘束される時間がかえって長くなることも珍しくない。

PMという仕事柄、海外メンバーとの会議が夕方以降にずれ込むこともある。テレワークだから子育てに使える、と考えていた最初の数年は、実際には「家にいるのに会議続きで顔を合わせられない」というすれ違いを何度も経験した。子育て支援として機能させるには、テレワークという働き方と、会社の子育て支援制度を意識的に組み合わせる必要がある。

テレワーク子育て支援を使い倒す3ステップ

私が実践しているのは、次の3つのステップだ。特別な裏技ではなく、多くの会社にすでにある制度を「知って、使う」だけのシンプルな方法である。

ステップ1:会社の「中抜けルール」を正しく使う

多くの企業のテレワーク制度には、勤務時間中に一時的に離席できる「中抜け」のルールがある。これを使えば、学校のお迎え、通院、個別面談などをフルで休暇を取らずに対応できる。

就業規則や人事ポータルを確認し、中抜け可能な時間帯・1日の上限・申請方法を把握しておくことが最初の一歩だ。私の会社では1日2回まで、合計2時間までの中抜けが認められており、これを使って息子の個別面談や学校行事に参加してきた。

ステップ2:在宅日の流れを「見える化」して子どもと共有する

テレワークの日は、会議の合間に家事や育児を挟み込むことになる。このとき効果を発揮するのが、仕事で使うタイムラインの発想を家庭に持ち込むことだ。具体的には、共有カレンダーやホワイトボードに「何時から何時まで会議」「何時から夕食準備」とざっくり書き出し、子どもにも見える場所に貼っておく。

最初は「パパ仕事中だから」とだけ伝えていたが、ある日息子にこう言われたことがある。

「いつ終わるかわかんないから、話しかけていいタイミングがわかんないんだよね」
「そっか。じゃあ、終わる時間を紙に書いておくよ」

それ以来、リビングのホワイトボードに会議の終了予定時刻を書くようにした。子どもは「あと何分」がわかるだけで、待つことへのストレスがかなり減るらしい。

ステップ3:子育て支援制度をテレワークと組み合わせて申請する

テレワークだけで完結させようとせず、会社の子育て支援制度(時短勤務、育児目的休暇、ベビーシッター利用補助など)も合わせて申請するのがポイントだ。多くの制度は申請しないと使われないものばかりで、存在を知らないまま終わっているケースが多い。

私は人事に子育て支援制度の一覧を一度まとめて確認し、テレワーク日とは別に、月1回の育児目的休暇を「学校行事専用日」として固定で申請するようにした。

実践してみて変わったこと

この3つを組み合わせてから、平日に息子と向き合える時間は週5時間以上増えた。何より変わったのは、お迎えの時間そのものより、予定された時間に子どもと向き合えるという安心感だった。

先日、息子に「テレワークの日とそうじゃない日、どっちが好き?」と聞かれたので、「テレワークの日かな」と答えると、こう返ってきた。

「だよね。お迎えのとき機嫌いいもん」
「機嫌いいって自分でわかるんだ」
「わかるよ、声が違うもん」

子どもは、こちらが思っている以上に、親の余裕の有無を敏感に感じ取っている。制度を使いこなすことは、単なる時短ではなく、子どもに向き合う心の余白をつくることでもあると気づいた。

まとめ|テレワーク子育て支援は「制度を知る」ことから始まる

テレワークそのものに子育てを楽にする力はない。会社にある支援制度を知り、組み合わせて使って初めて効果を発揮する。今日からできることとして、以下を確認してほしい。

  • 中抜けルールの対象時間帯・1日の上限・申請方法を人事ポータルで確認する
  • 在宅日の会議スケジュールを家族にも見える形で共有する
  • 子育て支援制度(時短勤務・育児目的休暇・ベビーシッター補助など)の一覧を一度まとめて確認する
  • 月1回など、学校行事専用の休暇日を定期的に固定で確保する

私自身、最初から制度に詳しかったわけではない。一つずつ確認し、申請し、子どもと話しながら少しずつ仕組みを作ってきた。テレワークを「ただ家にいるだけの日」で終わらせず、子育て支援制度と組み合わせて使うことが、忙しい毎日の中で子どもと向き合う時間を取り戻す近道になるはずだ。


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