夜10時、息子が寝室に消えた後のキッチンに立つと、シンクには食器が積み上がっていました。翌朝の弁当の下準備もある。洗濯物はまだ畳んでいない。そして明日の朝には6時半に起きて息子を送り出さなければならない。
そんな夜、リビングから声がかかりました。
「パパ、まだ終わらないの?」
「もう少しだよ。先に寝てていいよ」
「…パパ、ずっとキッチンにいるね」
その一言が刺さりました。「このままじゃいけない」と思った瞬間でした。家事に使っている時間を、もっと息子との時間に変えられないか。そこから本格的に、家事の仕組み化を始めました。
シングルパパの家事問題は「量」より「設計」にある

結論から言うと、家事の総量を減らすより、家事の「やり方の設計」を変えることで時間は大きく削減できます。私の場合、週あたりの家事時間を体感で5時間以上削減できました。
多くのシングルパパが陥るのは、「目の前の家事をとにかくこなす」という対処療法的な動き方です。PMの仕事でいえば、バックログを整理せずに来たタスクを片っ端から処理しているような状態です。当然、効率は上がりません。
必要なのはシステム設計です。家事をプロジェクトとして捉え直すことで、初めて「どこに時間を使うべきか」が見えてきます。以下の3ステップで、私は週5時間を取り戻しました。
ステップ1:家事を全部書き出して「やめるもの」を決める
まず、自分が毎日・毎週こなしている家事をすべて書き出し、「続ける・外注する・やめる」の3つに仕分けすることから始めます。これだけで、即座に時間が生まれる場合があります。
書き出す家事の例は、洗い物・洗濯・掃除・ゴミ出し・買い物・弁当作り・料理・アイロンがけ・浴室掃除など。やってみると想像以上に多く、私が初めてリスト化したとき、週換算で20時間近く家事に使っていることが判明してショックを受けました。
次に、各家事を以下の3分類に振り分けます。
- 続ける(子どもに関わること・毎日の料理など必須のもの)
- 外注・自動化する(時短家電やサービスに任せられるもの)
- やめる・基準を下げる(完璧にやらなくていいもの)
「やめる」の実例として、私が手放したのは週1回のアイロンがけです。息子の服はシワになりにくいポリエステル混の素材に統一し、私のワイシャツは形態安定タイプに切り替えました。これだけで週30〜40分が消えました。
「基準を下げる」では、床掃除をロボット掃除機に任せてから、自分で掃除機をかける頻度を週1から月2回に減らしました。完璧な清潔さより「生活に支障がない清潔さ」で十分だと割り切ることが、時間を生む第一歩です。
ステップ2:時短家電を「時間対価」で投資判断する

時短家電への投資は、時間換算で考えると「買わない理由がない」ものがほとんどです。判断の基準はシンプルで、削減できる時間×年数÷購入価格で計算します。
たとえば食洗機を例にすると、食器洗いが毎日20分かかるとして年間で約120時間、5年使えば600時間です。3〜5万円台の食洗機を購入したとして、1時間あたり50〜80円で時間を買っていることになります。自分の時給と比べれば、迷う理由はほぼありません。
私が導入して特に効果が高かった家電は以下の3つです。
- 食洗機:食後の洗い物から完全解放。毎晩30分が丸ごと返ってきました
- ドラム式乾燥機能付き洗濯機:干す・取り込む・畳む作業が激減し、週3〜4時間削減
- 電気圧力鍋(ホットクック系):材料を入れてスイッチを押せば完成。調理中に別の家事や息子との会話ができます
一度に全部揃える必要はありません。私は1年半かけて少しずつ導入しました。優先順位は「毎日発生する家事」から。頻度が高いほど削減効果が大きいからです。まず食洗機、次にドラム式という順番でも、十分な時間が生まれます。
「高い買い物」と感じるほど、実は時間換算すると安い投資であることが多いです。時短家電は消耗品ではなく、時間を生み続ける資産として捉えてみてください。
ステップ3:子どもを家事のパートナーにする
小学4年生になった息子には、今では洗濯物を畳むこと・ゴミをまとめること・食卓の片づけを担当してもらっています。週あたりさらに1〜2時間が手元に戻ってきました。
家事当番を始めたのは、息子が小学2年生のころです。最初は「一緒にやる」ところからスタートしました。ある日曜日の朝、こんなやり取りがありました。
「俺、なんか手伝えることある?」
「じゃあ、これ畳んでくれたら助かるよ」
「こうやってやるの?」
「そうそう、上手い」
子どもは意外と「役に立ちたい」と思っています。その気持ちを仕組みに変えることが、親子双方にとってプラスになります。家事を通じて責任感や自立心も育つので、教育的な側面でも決して損ではありません。
子どもへの家事割り当てのコツは、年齢に合った内容を選ぶことです。小学校低学年なら「テーブルを拭く」「靴を揃える」から始めるのが現実的です。高学年になれば「洗濯物を干す」「簡単な料理の手伝い」まで広がります。最初は5分以内で終わる簡単なものから始め、成功体験を積ませることが継続のカギです。また、完璧を求めないことも大切です。たたみ方が多少雑でも「やってくれた」ことを認めると、次の意欲につながります。
3ステップで取り戻した時間の使い方
この3ステップを実践してから、平日夜に30〜40分、週末に2〜3時間が手元に戻ってきました。その時間を何に使っているかというと、息子との会話・読書・資産形成の勉強、そして副収入につながる作業です。
「時間がない」と感じているシングルパパの多くは、時間を生み出す「仕組み」を持っていないことが多いです。家事は毎日発生するからこそ、設計を変えれば効果が積み重なります。
先日、夕食後に息子とボードゲームをしていたとき、こんな会話になりました。
「パパ、最近早くリビングに来るね」
「そう?」
「うん。前はいつも台所にいたのに」
子どもはよく見ています。家事の効率化は、子どもと過ごす時間の質にも直結していると、改めて実感した瞬間でした。ワンオペのシングルパパでも、設計を変えれば時間は必ず生まれます。
まとめ:シングルパパの家事効率化は「設計」から始める
- 家事をすべて書き出し、続ける・外注・やめるの3分類に仕分ける
- 時短家電は「時間対価」で投資判断し、毎日発生する家事から優先する
- 子どもを家事のパートナーにして、年齢に合った役割を少しずつ渡す
- 完璧な家事より「生活が回る仕組み」を目指すと継続しやすい
- 生み出した時間は子どもとの時間・自己投資・資産形成に充てる
まずは今日、紙とペンを用意して自分の家事を書き出すところから始めてみてください。たった10分の棚卸しが、週5時間の余白につながります。

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