ある夜、息子を寝かしつけてから、スマホで「シングルパパ 老後資金」と検索していました。
「お父さん、老人ホームってすごいお金かかるんだって」
「どこで聞いたの?」
「学校で。友達のおじいちゃんが入ったって言ってた」
その一言が、ずっと先送りにしていた老後のお金と、本気で向き合うきっかけになりました。
子育て・生活費・教育費。毎月のキャッシュフローをやりくりするだけで精一杯のシングルパパにとって、老後資金は「いつかやること」リストの最下段に追いやられがちです。私もそうでした。でも、子どもが小4になったこの夏、はじめて真剣に数字を試算してみて、動き出すなら早いほどいいという確信を持ちました。
この記事では、私が実践している老後資金の考え方と具体的な3ステップをまとめます。投資・資産形成の最終判断は、必ず読者ご自身の責任で行ってください。
シングルパパの老後資金、目標額は2,500万円が現実解

ひとり親世帯のシングルパパが老後に最低限必要とされる資金の目安は、2,000万〜3,000万円です。公的年金だけでは月5〜7万円程度の不足が生じるとされており、25年分を単純計算すると1,500万〜2,100万円。介護費用や医療費の備えも含めると、2,500万円前後を目標にするのが現実的です。
「2,500万円」という数字だけ見ると途方もなく感じます。ただ、今から20年かけて毎月1万円を年利3%で積み立てると、複利効果でおよそ330万円になります。月2万円なら660万円です。さらにNISAやiDeCoの非課税枠を活用することで、税引き後の手残りが増えます。「月に数万円を20年続ける」という視点に変えると、急に現実的な話になってきます。
なぜシングルパパこそ老後資金を早めに動かすべきなのか
配偶者なしで老後を一人でカバーする構造
夫婦世帯であれば、どちらかが先に亡くなっても遺族年金や合算した老後資金が残ります。シングルファーザーの場合、その仕組みがありません。老後を一人でカバーする前提で設計しなければならないのが、ひとり親の現実です。
子育て期間中は積立が途切れやすい
習い事・塾・学校の諸費用など、子どもが小学生から中学生にかけて教育費が急増します。この時期に老後積立を中断してしまうケースは多いのですが、複利の効果を考えると「早く始めて小額を継続する」ほうが、「後でまとめて入れる」より最終的な積み上がりが大きくなります。ファイナンシャルプランナーに相談したとき、「今から月1万円と、10年後から月2万円では、前者のほうが最終的な積み上がりが大きくなる」と言われ、少額でも今すぐ始めるという決断をしました。
老後資金を積み立てる3ステップ

ステップ1|老後の目標額を「逆算」で決める
まず自分の老後に必要な金額を試算します。月の生活費の目安×12×老後の年数(65〜90歳で25年)で総額を出し、公的年金の受給見込み額を引いた差分が「自分で用意する老後資金」です。ねんきんネットに登録すると、現時点での年金受給見込み額を無料で確認できます。この作業自体は30分もかかりません。
私の場合、月の生活費を仮に20万円として計算すると、老後25年間で必要な総額は6,000万円。そこから年金受給見込み額(私の場合はおよそ月13万円換算)を差し引くと、自分で用意する金額は2,400万〜2,600万円という試算になりました。この数字が、2,500万円という目標額の根拠です。
ステップ2|iDeCoとNISAを役割分担させる
老後資金の積立には、iDeCoとNISAの両方を活用します。iDeCoは掛金が全額所得控除になるため、シングルパパのように税負担が重い層にとって節税効果が大きいです。一方、NISAは老後以外の目的(教育費・急な出費)にも使いやすく、流動性があります。
私の使い分けはシンプルです。iDeCoを老後専用の積立(受け取りは原則60歳以降)、NISAを教育費や緊急時にも対応できる流動性のある積立として運用しています。月の積立額は合計2〜3万円程度から始め、固定費削減で浮いたお金をそのまま上乗せしました。なお、iDeCoの月額上限は加入する制度によって異なります(企業型DCがない会社員の場合は月2.3万円)。まずは月5,000円でも始めることが大切です。
ステップ3|自動引き落としで「考えない仕組み」にする
最も大切なのは継続です。毎月手動で入金していると、忙しい月に忘れたり、余裕がないときに止めてしまいます。iDeCoもNISAも、銀行口座からの自動引き落とし設定にすることで、考えなくても積み立てが続く仕組みになります。
私は給料日翌日の引き落とし設定にしており、積立を忘れたことはありません。給料が入った直後に先取りで引き落とされるため、残ったお金で生活する習慣が自然と身につきました。ワンオペで毎日の子育てに追われている私でも続けられているのは、この仕組みのおかげです。
先日、息子とこんな会話をしました。
「お父さんも毎月、老後の貯金してるよ」
「老人になるまでずっと続けるの?」
「そう。だから今は無駄遣いしない」
「えらい」
その一言に思わず笑いながらも、続けていく理由を改めて実感した瞬間でした。
まとめ
- シングルパパの老後資金の目安は2,500万円前後が現実解
- ひとり親は配偶者なしで老後を一人でカバーする構造のため、早めの準備が不可欠
- ステップ1:ねんきんネットで受給見込み額を確認し、不足分を逆算する
- ステップ2:iDeCoで節税しながら老後専用積立、NISAで流動性を確保する
- ステップ3:自動引き落とし設定で「続ける仕組み」をつくる
「老後なんてまだ先」と感じていた時期が私にもありました。でも子どもが将来の話をするようになってから、自分の老後も同じくらい現実のものとして向き合うようになりました。まずはねんきんネットにログインして、現在の年金見込み額を確認するところから始めてみてください。

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