ある月曜日の朝6時50分。玄関で靴を履きながら、息子が振り返って言いました。「パパ、今日プログラミング教室あるんだよね?お迎え何時?」「15時に駅まで迎えに行くよ、大丈夫」「じゃあ忘れないでね」そう言って笑いながら駅へ歩いていく背中を見送りながら、私は頭の中で今日一日のタスクを数え始めていました。息子の送迎、朝の家事、9時からの会議、15時の再送迎、習い事の月謝振込み、夕飯の準備。一つでも漏れると、誰かに迷惑がかかります。ワンオペで働きながら子育てをしていると、頭の中だけでタスクを管理するのは早々に限界がきます。
家事・育児・仕事のすべてを一人で回していると、「今日何をやるべきか」を思い出すだけで消耗してしまうことがあります。私自身、思い出すのを忘れて習い事の振込み期限を過ぎてしまったり、会議中に息子の送迎時間が気になって集中できなかったりした経験があります。今回は、本業のPM(プロジェクトマネージャー)として培った考え方を使い、家庭のタスクをどう管理しているかを具体的な3ステップで紹介します。
シングルパパの一日はタスクの山|「頭の中」管理が破綻する理由

結論から言うと、家事・育児・仕事を「頭の中」だけで管理するのは、どれだけ得意な人でも早晩破綻します。理由は、タスクの数が多いだけでなく、締切のタイミングがバラバラで、しかも子どもの体調不良など突発的な割り込みが日常的に発生するためです。仕事のプロジェクトならタスクが漏れれば納期遅延という形ですぐに表面化しますが、家庭のタスクは漏れても誰も指摘してくれません。気づいたときには習い事の申込期限が過ぎていた、ということが実際に何度もありました。だからこそ、記憶に頼らず「仕組み」で管理する必要があると感じています。
PM思考で家事・育児・仕事を「見える化」する3ステップ
私が実践しているのは、仕事のプロジェクト管理と同じ考え方で家庭のタスクを「洗い出す」「仕組み化する」「カレンダーに固定する」の3ステップに分けて管理する方法です。特別なツールは使わず、Outlookの予定表とスマホのリマインダーだけで完結します。
ステップ1|タスクを全部書き出す
まず、頭の中にあるタスクをすべて紙かメモアプリに書き出します。朝の送迎、家事、仕事の会議、習い事の送迎、月謝の振込み、宿題の確認、夕飯準備、お風呂、寝かしつけ。書き出してみると、平日だけで20個近いタスクがあることに気づきます。書き出す作業自体が、頭の中の不安を減らしてくれます。
ステップ2|自動化できるものは仕組み化する
次に、書き出したタスクの中で「人がやらなくてもいいもの」を探します。私の場合、掃除はロボット掃除機、洗濯は乾燥機付きのドラム式洗濯機、料理の一部はホットクックに任せています。無水カレーや鶏肉と大根のみぞれ煮など、火加減を見なくても仕上がる料理はホットクック任せにすることで、掃除機がけ・洗濯物干し・調理の見張りという3つの作業がまるごと消えました。人の手を離れたタスクは、二度と「思い出す」必要がなくなります。
ステップ3|残ったタスクはカレンダーに固定する
仕組み化できなかったタスク、特に送迎のように時間が決まっているものは、Outlookの予定表に登録しています。15時の息子の送迎はチームメンバーにも共有した上で予定に入れており、その時間は会議を入れない、抜けることを周囲が把握している状態にしています。「覚えておく」から「予定に組み込む」に変えるだけで、抜け漏れの不安がかなり減りました。
ある日、15時に息子を迎えに行くと、開口一番にこう言われました。「パパ、今日も時間通りだね」「当たり前だろ、ちゃんと予定に入れてるからね」「え、パパの仕事のカレンダーに僕がいるの?」「もちろん、大事な予定だからね」そのやり取りに、息子が「自分は後回しにされていない」と感じてくれているのだと気づかされました。
仕組み化で生まれた時間、AIで加速するタスク管理

仕組み化によって浮いた時間の一部は、ChatGPTなどのAIを使ってさらに圧縮しています。仕事では資料作成の下書きや情報整理に使っていますが、家庭でも息子用にカスタマイズしたChatGPTに宿題のヒントを聞かせたり、自由研究のテーマ出しを一緒にさせたりしています。私が付きっきりで教えなくても、息子がある程度自分で調べられる環境を作ることも、広い意味でのタスク管理だと考えています。
先日も、宿題をしながら息子がぽつりと言いました。「パパ、これAIに聞いたらもう分かったよ」「早いな、パパより頼りにされてる気がする」「パパは送迎とごはん担当ね」そう言って笑う息子を見て、タスクを人・家電・AIに振り分けることが、結果的に息子との時間そのものを守っているのだと実感しました。
まとめ|タスク管理で「余裕」を取り戻す
家事・育児・仕事を一人で回すシングルパパにとって、タスク管理は特別なスキルではなく、生き延びるための仕組みだと感じています。頭の中だけで抱え込まず、書き出し・仕組み化・カレンダー固定という流れに乗せることで、抜け漏れの不安が減り、息子と向き合う時間にも余裕が生まれました。
- 頭の中のタスクをすべて書き出し「見える化」する
- 自動化できる家事は家電に任せて仕組み化する
- 残ったタスクはカレンダーに固定し記憶に頼らない
- 浮いた時間はAIでさらに圧縮する
今日からできることは、まず紙に今週のタスクを全部書き出してみることです。それだけでも、頭の中の不安の量が変わるはずです。

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