夏休み最終日の夜、歯磨きを終えた息子がリビングのソファに座ったまま、なかなか寝室に向かいませんでした。テレビも消えていて、ただぼーっとしています。
「歯磨いたなら、もう寝る時間だよ」と声をかけると、しばらく黙ったあとにポツリと言いました。
「明日から学校かぁ……めんどくさいな」
深刻な顔ではありません。でも本音がにじんでいるのも分かりました。この記事では、新学期初日を前にした息子の「行きたくない」という一言に、私がどう向き合ったかをまとめます。
新学期の「学校行きたくない」は、実はよくある話
「学校行きたくない」と聞くと身構えてしまいますが、新学期特有のこの言葉は、深刻な問題のサインとは限りません。夏休みという長い自由時間から、時間割どおりに動く生活へ急に切り替わることへの、ごく自然な抵抗であることが多いです。
実際によく聞く理由は、拍子抜けするほどシンプルです。
- 夏休み中は自由にできていたゲームや動画の時間が減る
- 朝早く起きる生活に体がついていっていない
- 宿題や時間割に合わせて動くこと自体が単純に面倒
- 友達に会うのは嫌ではないが、その前段階の準備が億劫
いじめや友人関係のトラブルのような深刻なサインもゼロではないので、様子がいつもと違う場合は注意が必要です。ただ、多くのケースでは「面倒くさい」という、大人にも覚えのある気持ちがベースにあります。まずそこを区別して考えることが、変に構えすぎないための第一歩だと感じています。
「めんどくさい」の中身を聞いてみる
ソファに座ったままの息子に、私は隣に腰を下ろして聞いてみました。
「めんどくさいって、具体的に何が?」
「んー、朝早いのと、ゲームの時間減るのと」
「それだけ?」
「あと宿題も、明日提出だし」
友達関係や授業についていけないといった不安ではなく、生活リズムとゲーム時間の変化が中心だと分かり、正直ホッとしました。理由が具体的に分かれば、対処のしようがあります。「行きたくない」という言葉だけで焦らず、まず何が引っかかっているのかを聞き出すことが、思っていた以上に大事だと感じた瞬間でした。
私が実践した3つの向き合い方
理由が見えてから、私が意識したのは「気持ちを否定しない」「仕組みで解決する」の2軸です。具体的には次の3つを実践しました。
1. 「めんどくさい」を否定せずそのまま受け止める
「そんなこと言わないの」「学校は行くものでしょ」と頭ごなしに返すのは避けました。代わりに「そうだよなー、めんどくさい気持ちも分かるよ」と、まず気持ちをそのまま受け止めます。感情を否定されなかっただけで、息子の表情は少し緩みました。行くか行かないかの結論を急がず、まず気持ちを認めるところから始めるのがポイントです。
2. ゲームの時間を「新学期モード」に一緒に決め直す
我が家では夏休み中、平日でもゲームや動画の時間を長めに確保していました。新学期になって急にその時間を切り詰めると、息子にとっては「楽しみが一方的に奪われた」という感覚になります。そこで、平日は下校後30分、宿題が終わったらプラス30分というように、本人と一緒に新しいルールを決め直しました。決められたルールではなく、自分で決めたルールだと思えると、納得感がまるで違います。
3. 生活リズムは1日で戻そうとしない
夏休み終盤は就寝時間が遅くなりがちです。新学期初日にいきなり本来の起床時間に戻そうとすると、本人もつらいし朝の機嫌も悪くなります。私は始業の3日ほど前から、就寝時間を15分ずつ早める調整をしました。当日いきなり切り替えるより、体への負担がずっと少なく済みます。
新学期初日の朝

迎えた新学期初日の朝、リビングに降りてきた息子は、思ったよりあっさりした顔でランドセルを背負っていました。
「昨日あんなに、めんどくさいって言ってたのに」
「まあ、行ったら行ったでいつも通りだし」
「そんなもんか」
「そんなもんだよ」
拍子抜けするくらい、あっさりしたものでした。前の晩にきちんと気持ちを聞いて、ゲームのルールも一緒に決め直していたので、朝になって蒸し返すこともありませんでした。「行きたくない」という一言に過剰反応せず、理由を分けて一つずつ対処したことが、結果的に一番効いたのだと思います。
「行きたくない」がずっと続く場合は
今回のようにゲームや生活リズムが理由であれば、数日で落ち着くことがほとんどです。ただし、行き渋りが1週間以上続く、朝になると腹痛や頭痛を訴える、休み明け以外の日も繰り返し行きたがらない、といった様子が見られる場合は、単純な「めんどくさい」とは違うサインの可能性があります。その場合は担任の先生やスクールカウンセラーに早めに相談することをおすすめします。一人で抱え込まず、学校側と情報を共有できる体制を作っておくと、いざというときに動きやすくなります。
まとめ
- 新学期の「学校行きたくない」は、ゲームの時間や生活リズムの変化が理由であることが多い
- 「めんどくさい」を否定せず、まず気持ちをそのまま受け止める
- ゲーム時間は一方的に減らさず、本人と一緒に新学期モードのルールを決め直す
- 生活リズムは数日かけて少しずつ戻す
- 行き渋りが長引く、体調不良を伴う場合は学校に早めに相談する
新学期の「行きたくない」は、多くの場合、深刻に構えすぎなくて大丈夫です。理由を聞いて、仕組みで一つずつ整えていけば、初日の朝は思っているよりあっさり乗り越えられます。

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