息子が熱を出して学童から呼び出された日のことを、今でも覚えている。タクシー代・薬代・翌日の保育手配——想定外の出費が重なった夜、「この不安があるかぎり投資に踏み出せない」と思った。NISAを始めたいのに、急な出費が怖くて動けない。あのころの自分へ、今の自分が伝えたいことをまとめた。
私も以前はそうでした。「早く投資しなければ」と焦りながら、一方で「子どもが急に体調を崩したら」「家電が壊れたら」という不安が頭から離れませんでした。
この記事では、私が実践した「生活防衛資金の作り方3ステップ」を紹介します。この土台を先に作ったことで、NISAを長期で安心して続けられるようになりました。
ひとり親が直面する「収入1本」のリスク

共働き世帯には、どちらかが働けなくなってももう一方の収入があります。でもシングルパパにはそれがありません。私の収入が止まれば、家計もそのまま止まります。
こうした状況でNISAに全力投球すると、急な出費が重なったとき「含み損のある投資信託を売らざるを得ない」という最悪の状況になりかねません。
投資で増やしたお金を、緊急時に泣く泣く取り崩す。これは長期運用の観点では大きなダメージです。だからこそNISAより先に「現金の防衛ライン」を引くことが必要なのです。
生活防衛資金とは何か
生活防衛資金とは、緊急時に備えて現金で手元に置いておくお金のことです。一般的な目安は「生活費の3〜6ヶ月分」で、普通預金や定期預金など、いつでも引き出せる場所に置くのが基本です。
NISAや投資信託とは明確に異なります。生活防衛資金は「増やすための資金」ではなく「万が一のときに守るための資金」です。この2つを意識して分けておくことが大切です。
ひとり親の場合は、収入源が1本しかないため、一般的な目安より多めに設定することを私はおすすめしています。
3ステップで生活防衛資金を作る

ステップ1:月の最低生活費を把握する
まず「家族が最低限生活を維持するのに必要な月の金額」を把握します。家賃・光熱費・食費・保険料・子どもの学費など、固定費と最低限の変動費を洗い出してください。外食や娯楽費など「なくても困らない支出」は除きます。
私はこの作業にMoneyForwardを使いました。過去3ヶ月の支出が自動集計されるため、1時間もかかりませんでした。手入力不要で口座連携するだけなので、忙しいシングルパパでも手間がかかりません。
ステップ2:目標額を「ひとり親基準」で決める
生活費が把握できたら、目標額を計算します。一般的には6ヶ月分が目安ですが、私はシングルパパという立場を踏まえて「最低6ヶ月、できれば9ヶ月分」を目標にしています。
二親世帯なら3ヶ月分で足りることもありますが、収入が1本のひとり親は、病気・怪我・急な転職といった想定外のリスクがすべて自分に集中します。それだけ厚いバッファが必要です。
たとえば月の最低生活費が25万円なら、目標額は150〜225万円。最初からこの数字を決めてしまうと、「いつNISAを全力にできるか」の見通しも立ちやすくなります。
ステップ3:積立を自動化して「先に分ける」
目標額が決まったら、毎月の積立を自動化します。「残ったら貯める」では貯まりません。給与が振り込まれた翌日に、生活防衛資金専用の口座へ自動振替される仕組みを先に作ります。
私は給与口座とは別に「防衛専用口座」を用意し、給料日翌日に自動振替を設定しました。生活防衛資金の積立期間中は、NISAの積立額を少し抑えて月々のキャッシュフローを確保しました。
焦ってNISAを増やすより、「いざとなれば半年は乗り越えられる」という状態を先に作る方が、長期投資を心穏やかに続けられます。私が実感していることです。
私が実際に歩んだ順番
私が生活防衛資金を意識し始めたのは、息子が小学校に入学したころです。「これから教育費がかかっていくのに、緊急時の備えがない状態でNISAだけ積み立てても土台がない」と気づいたのがきっかけでした。
まず「3ヶ月分を目標にしよう」と決めて、月2万円ずつ別口座に移し始めました。目標に達したタイミングでNISAの積立額を少し引き上げ、並行して6ヶ月分を目指す形にシフトしました。
一気に大きな額を積み立てようとするより、「仕組みを先に作って自動で動かす」方が、多忙なシングルパパには無理なく続けられました。3年かけてじっくり積み上げた結果、今では目標額に到達しています。
まとめ:守りを固めてから、NISAで攻める
生活防衛資金を先に作ることは、投資の足を引っ張ることではありません。急な出費が来ても投資を売らずに済む「守りの土台」を先に作るからこそ、NISAを長期で続けられます。
シングルパパほど、この「守りを先に固める」発想が大切だと私は感じています。ワンオペで家計を一人で背負っているからこそ、最初の一手はリスクヘッジから始めてほしいと思います。
まずは今月の「月の最低生活費」を把握するところから始めてみてください。それだけで自分に必要な防衛ラインの数字が見えてきます。
※なお、生活防衛資金の目標額やNISAとの優先順位は、各家庭の収入・支出・家族状況によって大きく異なります。この記事は私個人の体験に基づく参考情報であり、最終的な資産管理・運用の判断はご自身の責任のもとで行ってください。


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