夜9時、宿題を終えて風呂から上がった息子がリビングに戻ってくると、テーブルの上には学資保険のパンフレットが3枚広げてありました。
「パパ、それ何の紙?」
「学資保険っていう、将来の学費のための保険だよ」
「ぼくの分?」
「そう、小学生のうちに決めておこうと思ってね」
その何気ない一言がきっかけで、学資保険とNISA、どちらで教育費を用意するべきかを本気で比較する夜になりました。この記事では、私が実際に両者を比べて「NISAを選んだ理由」と、月1万円から始められる具体的なやり方をお伝えします。
※投資には元本割れのリスクがあります。この記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
教育費ってどのくらいかかる?
文部科学省のデータによると、子ども1人が大学(私立・4年制)まで進んだ場合の教育費は1,000万円を超えると言われています。進路によって大幅に変わりますが、まずは「1,000万円」という数字を目安に逆算してみましょう。仮に小学生から大学入学まで9年間とすると、1,000万円÷9年÷12ヶ月で月9.3万円ほどになります。もちろん、すでに貯蓄がある方は必要な積み立て額はもっと少なくなります。大事なのは「今どこにいるか」を把握してから動き出すことです。
学資保険とNISA、何が違う?
学資保険のメリット・デメリット
学資保険は、子どもの教育費を目的に設計された保険商品です。昔から「子どもが生まれたらまず学資保険」という文化が根強くあります。メリットは、満期時に確実に受け取れること(元本保証に近い)、親が亡くなっても積み立てが続くこと(払込免除特約)、生命保険料控除として節税になることの3つ。デメリットは、返戻率が低いこと(最近は100〜106%程度が多い)、途中解約すると元本割れリスクがあること、長期で見るとインフレに負ける可能性があることです。
NISAのメリット・デメリット
NISAは、少額から投資できる国の非課税制度です。メリットは、運用益が非課税であること、長期・積立・分散で歴史的に見てプラスになりやすいこと、いつでも引き出せること(流動性の高さ)。デメリットは、元本保証がないこと、自己管理が必要で定期的な確認が望ましいこと、基本的な投資知識が多少必要なことです。
私がNISAを選んだ理由
学資保険とNISA、どちらで教育費を用意するか比較したとき、私は学資保険には加入せず、NISAでの積立投資を選びました。理由は大きく3つあります。
1つ目はリターンの差です。返戻率105%は10年で5%しか増えない、年率換算で0.5%以下ということに気づきました。対してS&P500に連動するインデックスファンドは、過去20〜30年の平均で年率6〜7%程度の成長実績があります(将来の保証ではありません)。長期で積み立てることを前提にするなら、この差は無視できないと感じました。
2つ目は「いつでも引き出せること」です。学資保険は途中解約すると元本割れします。でもNISAは必要なときにいつでも引き出せます。シングルパパとして、仕事が変わる、急な出費が重なる、子どもの体調が続くといった万が一のときにも柔軟に対応できる手元の自由度は、精神的な余裕に直結します。
3つ目は、保障をすでに別の形で確保していたことです。学資保険に保険料払込免除という保障機能を求める方も多いですが、私はすでに生命保険を見直し、必要な保障額を確保しています。保険と投資の役割を分けて考えたことで、学資保険に頼らずNISA一本で教育費を積み立てる決断ができました。
月1万円から始める、具体的な3ステップ
ジュニアNISAは2023年末で新規買付が終了しました。今から始めるなら、親自身の新NISAの「つみたて投資枠」を活用するのが現実的です。「教育費専用」と意識を区切ることがコツで、証券会社によっては保有ファンドに用途メモをつけられるので、「これは教育費分」と決めておくと管理しやすくなります。
投資信託は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」のような低コストのインデックスファンドに絞るのがシンプルです。「全世界か米国か」は定番の議論ですが、正直どちらを選んでも大きな差はありません。「どちらかを決めて積み立て続ける」ほうが、迷い続けるより断然大事です。
金額は月1万円でも十分です。月1万円×12ヶ月×9年間で元本108万円。これを仮に年率5%で運用できた場合、概算で130〜140万円程度になる可能性があります(あくまでシミュレーション上の試算値です)。月3万円・5万円と増やせれば効果は大きくなりますが、「無理のない金額で続けること」が何より重要です。私も最初は月1万円からのスタートでした。
学資保険が向いている人・向いていない人
ここまでNISAをおすすめしてきましたが、学資保険にも意味はあります。特に「自分が亡くなったとき、確実に子どもにお金が残る」という安心感は、シングルパパにとってリアルな問題です。生命保険の保障が手薄な方にとって、学資保険の払込免除特約は死亡保障としての機能を持ちます。「生命保険+NISA」の組み合わせにしている方も多く、これは合理的な選択です。
相場の値動きを見るのが苦手な方や、強制的に貯蓄する仕組みがないと続けられない方には、決まった保険料を払い続ける学資保険の仕組みが向いています。逆に、多少の投資知識があり値動きに一喜一憂せず長期で運用できる方であれば、NISAのほうが柔軟性とリターンの両面で有利になりやすいと感じています。どちらが正解というより、自分の性格や家計の状況に合わせて選ぶことが大切です。すでに学資保険がある方は、解約する前に必ず現在の解約返戻金・残り期間・払込免除特約の有無を確認してください。状況によってはそのまま続けた方がよいケースもあります。
まとめ
- 教育費の目安は大学まで1,000万円。今からでも積み立てを始める価値は十分ある
- 学資保険は安心感があるが返戻率は低め(年利0.5%以下が多い)
- NISAは元本保証がない代わりに、長期では成長期待が高く流動性もある
- 私は学資保険には入らず、保障は生命保険で確保しNISA一本で積み立てている
- まずは月1万円からでも積み立てを始めることが最優先
繰り返しになりますが、投資には元本割れのリスクがあります。この記事はあくまで参考情報です。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。不安な方は、ファイナンシャルプランナー(FP)などの専門家に相談することも選択肢の一つです。ワンオペシングルパパの私ですら動き出せました。完璧な準備を待つより、今できる一歩の方がずっと価値があります。


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