ある夜、寝る前のベッドの上で、小3の息子がふと聞いてきました。「パパって毎日大変じゃないの?」「大変なこともあるけど、こうやって一緒にいられるほうが楽しいから、そんなに苦にならないかな」「ふーん」息子は少し照れくさそうに布団にもぐり込みました。
何気ないやり取りでしたが、この5年間、自分が息子とどう向き合ってきたかを振り返るきっかけになりました。ひとり親になったばかりの頃は、子どもへの向き合い方に正解がなく、毎日手探りでした。大手IT企業でPMとして働きながら息子と二人で暮らす中で、少しずつ見えてきた3つの心構えを、実体験とともにご紹介します。
ひとり親が抱える「子どもへの向き合い方」という漠然とした不安

ひとり親になると、子どもとどう向き合えばよいのか、誰にも答え合わせができないまま日々を過ごすことになります。共働きで忙しいご家庭でも、限られた時間の中で子どもとしっかり向き合えているのか、不安に感じる方は多いのではないでしょうか。特に共働きで平日ほとんど子どもと顔を合わせられないというご家庭であれば、なおさらその不安は大きいはずです。実際、ひとり親になりたての頃の私も、毎日をこなすだけで精一杯で、正直なところ最初の半年間ほどはあまり記憶が残っていません。それくらい必死で日々を過ごしていました。ただ、時間が経つにつれて、向き合い方には特別なテクニックよりも「心構え」が必要だと気づきました。ここからは、私が大切にしている3つの心構えを順番にご紹介します。
心構え1|「あきらめない」という強い意志を持つこと
一つ目の心構えは、ひとりだからと何かをあきらめないという強い意志を持つことです。私は妻を亡くしてひとり親になったとき、シングルだからという理由で息子の可能性を狭めることだけは絶対にしないと決めました。「シングルだから」を言い訳にしないと決めてから、息子の「やりたい」に対して迷うことはほとんどなくなりました。実際、息子がやりたいと言った習い事は、スイミングやピアノ、プログラミングなどできる限りチャレンジさせていますし、2歳から4年間通わせたEQWELでは月2万円ほどの費用をかけて、集中力や記憶力の土台づくりにも取り組みました。
「今日プログラミング教室で新しいロボット作ったよ」「すごいじゃん、見せて」「今度パパにも教えてあげる」得意げに話す息子の顔を見るたびに、あきらめずに続けてきてよかったと感じます。その一言が、これからも息子の「やりたい」を全力で応援しようと思わせてくれる原動力になっています。
心構え2|仕組み化で「向き合う時間」そのものをつくること

二つ目の心構えは、家事や生活を仕組み化し、子どもと向き合う時間そのものを意図的につくることです。PMとして働く中で、家事もタスクの一つとして整理し、どこを自動化できるかを考えてきました。掃除はロボット掃除機、洗濯はドラム式洗濯乾燥機、料理はホットクックに任せることで、掃除機をかける時間や洗濯物を干す時間、一品を作る手間がまるごとなくなりました。これらの家電がなければ、平日に息子とゆっくり話す時間はもっと少なかったはずです。
実際、平日の夕食時にホットクックが無水カレーや鶏肉と大根のみぞれ煮を仕上げてくれている間、その日あった出来事を息子とゆっくり話す時間ができるようになりました。料理に追われなくなった分だけ、会話の時間が確実に増えたと感じています。生まれた時間をどこに使うかまで設計してはじめて、向き合い方そのものが変わるのだと思います。こうした小さな積み重ねが、向き合い方の土台になっていると感じます。
心構え3|悲しみは「乗り越える」ものではなく「共に生きる」もの
三つ目の心構えは、自分自身の悲しみに無理に蓋をせず、悲しみと共に生きる姿勢を持つことです。妻を亡くした直後、息子は毎晩ベッドの中で「ママはどこに行ったの」と同じ質問を繰り返しました。根気よく同じように説明を続けていると、いつの間にか聞いてこなくなりました。グリーフは受け入れたり乗り越えたりするものではなく、悲しいと感じる気持ちとうまく付き合いながら、少しずつ前を向いていくものだと今は感じています。
「ママのこと、まだ寂しい?」ある晩、息子にそう聞かれたことがあります。「寂しいよ。でも、こうして一緒にいられて嬉しいよ」「僕も」たったそれだけのやり取りですが、悲しみを隠さずに伝えたことで、息子も自分の気持ちを素直に話してくれるようになったと感じています。
まとめ|子どもへの向き合い方に、正解はいらない
子どもへの向き合い方に、絶対的な正解はありません。ただ、5年間ひとりで息子と向き合ってきた中で、大切にしてきた心構えは次の3つです。
- あきらめないという強い意志を持つこと
- 仕組み化で向き合う時間そのものをつくること
- 悲しみを隠さず、共に生きる姿勢を持つこと
特別なことをする必要はありません。忙しい毎日の中でこの3つを意識するだけで、子どもとの向き合い方は少しずつ変わっていくはずです。
家事の仕組み化についてもっと詳しく知りたい方は、PM思考で平日のタイムスケジュールを整理した記事もあわせてご覧ください。息子との夜の会話習慣については、別の記事で具体的な工夫をご紹介しています。


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