子どもの教育費、結局いくらかかる?公立・私立で比べる大学までの試算

親子で家計や教育費について話し合う様子 お金・資産形成

夕食を終えたテーブルの上に、学校からの集金のお知らせと、来月分の習い事の月謝袋が並んでいました。息子がそれをのぞき込んで聞いてきました。

「これ全部、お金の話?」
「そうだよ。学校のお金と、習い事のお金」
「ぼくって、結構お金かかってる?」

とっさに「そんなことないよ」と答えたものの、正直なところ、私自身「結局いくらかかるのか」を数字でちゃんと把握できていないことに気づきました。教育費は毎月の支払いばかりが目に入り、「トータルでいくら必要なのか」を見ないまま過ぎていきがちです。この記事では、公的データをもとに幼稚園から大学までの教育費を3パターンで試算し、私自身がどう向き合っているかをまとめます。

※本記事の統計データは文部科学省「子供の学習費調査」および日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」に基づく一般的な数値です。投資・資産形成の最終判断はご自身の責任で行ってください。

「教育費、結局いくらかかるのか」が分からない不安の正体

教育費の不安は、金額そのものより「見えていないこと」から来ています。毎月の給食費・教材費・習い事の月謝はそれぞれ数千円〜数万円で、単体で見ればどれも「払えない額」ではありません。でも、この先何年も続くこと、そして大学まで見据えると総額がどれくらいになるのかは、意識して調べない限り見えてきません。「見えない」から「なんとなく怖い」という状態が続いているだけなら、まず数字にしてしまうのが一番の解決策です。

幼稚園から高校まで、公立と私立でこれだけ差がある

文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、学校教育費・学校外活動費(塾や習い事など)を含めた年間の学習費総額は、学校種別で次のようになっています。

  • 幼稚園(年額):公立 約18.5万円/私立 約34.7万円
  • 小学校(年額):公立 約36.7万円/私立 約174.2万円
  • 中学校(年額):公立 約54.2万円/私立 約156万円
  • 高等学校(年額):公立 約59.8万円/私立 約117.9万円

幼稚園3歳から高校3年生までの15年間をすべて公立で通した場合の総額は約596万円、すべて私立の場合は約1,976万円という推計が出ています。差は3倍以上。特に小学校は公立と私立で約4.8倍の差があり、進路選択のインパクトが最も大きい時期です。「公立か私立か」は教育方針の話であると同時に、家計設計そのものに直結する選択だと分かります。

大学まで含めると総額はどうなるか

貯金箱とノートで教育費を計算するイメージ

高校までの学習費に、大学の入学・在学費用を足すと総額が見えてきます。日本政策金融公庫の調査では、大学の入学費用と在学費用(4年間)の合計は、国公立で約743万円、私立文系で約951.6万円、私立理系で約1,083.4万円とされています(自宅外通学の場合はさらに生活費が加算されます)。これを踏まえて、3つのパターンで試算してみます。

パターン1:オール公立+国公立大学

幼稚園から高校まで公立(約596万円)+大学は国公立(約743万円)で、合計は約1,339万円。最も負担が軽いパターンです。

パターン2:公立中心+私立大学文系

幼稚園から高校まで公立(約596万円)+大学は私立文系(約951.6万円)で、合計は約1,548万円。「学校は公立、大学だけ本人の希望する私立に」という、比較的多くの家庭に当てはまりやすい組み合わせです。

パターン3:オール私立+私立大学理系

幼稚園から高校まで私立(約1,976万円)+大学は私立理系(約1,083.4万円)で、合計は約3,059万円。負担が最も大きいパターンですが、実際にはこの中間、たとえば「小学校だけ私立、それ以降は公立」といった組み合わせを選ぶ家庭が多いのが実情です。

大事なのは「自分の家がどのパターンに近いか」を一度当てはめてみることです。ぴったり同じにはなりませんが、桁感をつかむだけで「なんとなく怖い」という不安はかなり和らぎます。

教育費のピークはいつ来るか

教育費は毎年均等にかかるわけではありません。小学校高学年から中学にかけて塾や習い事が増え始め、高校・大学の受験期に一時的な出費(受験料・入学金)が集中し、大学在学中の4年間が最も重い負担になります。この「山」が来るタイミングを事前に知っておくだけで、備え方が変わります。特に大学の入学費用は一括で必要になることが多く、「毎月の積み立て」とは別に、まとまった資金をどう用意しておくかを早めに考えておく必要があります。

私が実際にやっている教育費との向き合い方

電卓とノートで家計を計算する様子

我が家は息子を私立小学校に通わせていて、公立に比べて学校教育費がかかる選択をしています。だからこそ、「かかる金額」を漠然と抱えるのではなく、先に紹介した公的データをベースに大学までの総額を一度試算し、そこから逆算して毎月NISAで積み立てる、というやり方に切り替えました。金額を具体的に決めるより先に、「今どのくらいの水準にいるのか」を把握することを優先しています。

ある夜、息子とこんな会話をしました。

「パパ、習い事増やしてもいい?」
「増やしてもいいけど、その分どこかで調整が必要かもね」
「調整?」
「新しいのを始めるなら、今やってるものを一つ整理するとか。全部は無理だから、優先順位を一緒に考えよう」

息子は少し考えて、「じゃあ一番好きなやつ残す」と自分で選んでいました。教育費を「無限に出せるもの」として扱わず、家族で優先順位を話し合う機会にできたのは、総額を把握したからこそだと感じています。

教育費の準備方法としては、学資保険とNISAのどちらを選ぶかという論点もあります。私自身がNISAを選んだ理由は、別記事「小学生の教育費、学資保険かNISAか」で詳しく書いています。あわせて、老後資金の準備とのバランスについても、優先順位をつけて考えることをおすすめします。

まとめ

  • 幼稚園〜高校の15年間、すべて公立なら約596万円、すべて私立なら約1,976万円(文部科学省調査)
  • 大学まで含めると、パターン1(オール公立+国公立大学)で約1,339万円、パターン3(オール私立+私立理系)で約3,059万円
  • 教育費のピークは大学在学中。受験期の一時金と合わせて早めの準備が重要
  • 「なんとなく怖い」まま抱えず、自分の家庭に近いパターンで一度試算してみることが第一歩
  • 総額を把握したうえで、無理のない範囲の積み立てと、家族での優先順位づけを組み合わせる

教育費は「知らないまま先送りにする」のが一番不安を大きくします。まずは自分の家庭がどのパターンに近いか、今日紹介した3つの試算に当てはめてみてください。そこから逆算すれば、毎月いくら積み立てればいいかが見えてきます。


あわせて読みたい

コメント

タイトルとURLをコピーしました