お盆に予定がない。それでいいと思えるようになるまで|シングルパパの夏

夕食の準備をしながら息子と会話をする父親のイメージ シンパパのリアル

8月13日の夕方、夕飯の支度をしながら息子に「明日から3連休だね、どうする?」と聞いたときのことです。息子は野菜を洗う私の横に立って、こう言いました。

「田中くんは今日からおじいちゃんの家に泊まりに行くんだって。花火もやるみたい」

「そうなんだ。楽しそうだね」

「うちは、お盆どこか行くの?」

手が一瞬止まりました。今年のお盆、我が家には特に予定がありません。スーパーのレジには帰省ラッシュのニュースが流れ、SNSを開けば友人たちの旅行先の写真が並びます。そんな中で「うちは何もない」と気づいたとき、正直、少しだけ焦る自分がいました。

この記事では、お盆に特別な予定がないことに後ろめたさを感じていた私が、5年間のシングルでの子育てを通して「それでいい」と思えるようになった考え方と、実際にどう過ごしているかを書いていきます。同じように「うちだけ予定がない」と感じている方に、少しでも肩の力が抜けるきっかけになればと思います。

お盆になると「うちだけ予定がない」と感じてしまう理由

夏の夕方、親子で過ごす穏やかな時間のイメージ

お盆という期間には、独特の同調圧力があると感じています。実家に帰る、遠くへ旅行する、親戚一同で集まる。テレビも交通情報もその前提で作られていますし、子どもの学校でも「お盆はどこか行った?」が夏休み明けの定番の話題になります。

我が家は息子と2人暮らしです。妻を病気で亡くしてから5年になりますが、義理の実家との距離感や、私自身の実家との付き合い方は、二人親の家庭とは少し違う形になっています。だからこそ「みんなが当たり前にやっていること」ができていないと、必要以上に気にしてしまう時期でもあります。

ただ、この数年で気づいたのは、「予定がない」ことそのものが問題なのではなく、「予定がないのは良くないことだ」という思い込みの方が自分を苦しめていた、ということでした。

予定がないお盆を「悪いこと」にしない考え方

結論から言うと、お盆に大きな予定を入れるかどうかは、家族それぞれが決めていいことです。私が実際にやっているのは、「特別なことをする日」ではなく「いつもより少しだけゆるい日」として過ごすことです。具体的には次の3つを意識しています。

1. 「遠くに行くこと」だけが正解ではないと決める

夏休みの旅行は、時期をずらして7月のうちに済ませてしまうことが多いです(このあたりの計画の立て方は別記事にまとめています)。お盆そのものは、混雑や出費を避けて、あえて何も入れない期間にしています。移動しない分、体力も出費も温存できますし、平日と違って息子と1日中一緒にいられる貴重な時間にもなります。

2. 近場でできる「季節の行事」を1つだけ入れる

何もしないと決めるのではなく、近所の夏祭りや花火大会、地域のプールなど、遠出しなくても「今年のお盆はこれをやった」と息子が言えるものを1つだけ用意しています。予定を詰め込まず1つに絞ることで、準備の負担もかからず、当日も気持ちに余裕を持って過ごせます。

3. 自分の実家には「イベント」ではなく「顔を出す」感覚で行く

私の両親は大阪に住んでいて、車で30分ほどの距離です。お盆だからと気合を入れて何かをするのではなく、お昼を一緒に食べに行く、少し顔を見せる、くらいの軽さで訪ねるようにしています。「特別な帰省」にしないことで、お互いに気を遣いすぎず、息子にとっても祖父母に会える自然な機会になっています。

予定なしのお盆を4年続けてわかったこと

祖父母の家を訪ねて過ごす親子のイメージ

妻が亡くなってから最初の1、2年は、正直お盆をどう過ごせばいいのか分かりませんでした。義理の実家に顔を出すべきか、これまで通りの付き合い方を続けていいのか、判断の基準がなかったからです。今は無理をせず、双方の負担にならない範囲で、できることだけを続けています。

先日、実家からの帰り道に、後部座席の息子とこんな会話をしました。

「今日、じいじの家楽しかった」

「よかったね。田中くんの花火とはちょっと違うけど」

「別にいいよ、これはこれで。来年もじいじの家行きたい」

その一言で、肩の力がふっと抜けました。息子は他の家と比べて「うちは足りない」と思っていたわけではなく、自分なりのお盆の形として受け止めてくれていたんだと分かったからです。比べて焦っていたのは、どうやら私だけだったようです。

寝る前、部屋の電気を消してから息子がぽつりと言ったこともあります。

「毎年これくらいでいいよ。忙しいの疲れるし」

子どもの方が、大人よりずっと素直に「ちょうどいい」を分かっているのかもしれません。予定を詰め込むことより、いつも通りの生活リズムの中で息子と過ごす時間の方が、結果として満足度が高いのだと、この数年でようやく実感できるようになりました。

まとめ

お盆に予定がないことは、後ろめたく感じる必要のあることではありません。今回お伝えしたポイントを整理します。

  • 「遠くに行くこと」だけがお盆の正解ではない。旅行は時期をずらして別の日に済ませてもいい
  • 近場の夏祭りや花火など、季節の行事を1つだけ絞って入れると準備の負担が減る
  • 実家に行くときも「特別な帰省」にせず、顔を出す感覚にすると気持ちが楽になる
  • 子どもは意外と「いつも通り」を心地よく感じている。焦っているのは大人の方だと気づくことも多い

お盆に何をするかより、その時間をどう過ごしたいかを、家族それぞれのペースで決めていいはずです。もし今年のお盆にまだ具体的な予定がなくても、それは「足りていない」のではなく、選択肢の1つとして十分にありだと思います。夏休み全体の予定の立て方や、旅行費用の抑え方について書いた記事もあるので、あわせて参考にしてみてください。


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