1月2日の夕方、祖父母の家からの帰り道。各駅停車の座席で、息子は真新しいポチ袋を何度も開けて、中の千円札を数え直していた。「今年は合計で3万円もらえた」。顔はにやにやが止まらない。
去年までは「じゃあお父さんが貯金箱に入れておくね」でこの話は終わっていた。でも小学3年生になった今年は、息子の方から切り出してきた。「このお金、好きに使っていい?」
さて、どう答えるか。
お年玉のような、普段のお小遣いとは桁違いの金額を、小学生の子どもにどこまで自由に使わせるか。わが家が1年間の試行錯誤を経て行き着いたルールと、実際の分け方・比率をこの記事で紹介します。
お年玉の使い道、小学生にどこまで自由を持たせるべきか
結論から言うと、お年玉を「全部好きに使わせる」のも「全部貯金に回す」のも、どちらも子どものお金の学びにはつながりにくいというのが私の実感です。わが家が行き着いたのは、もらった金額を目的別に3つに分けて管理する方法でした。
具体的には、①その場で自由に使える分、②自分で貯めて目標の物を買うための分、③将来のために親が預かる分、の3つです。比率はおおよそ3:4:3を目安にしていますが、金額や子どもの年齢によって調整してかまいません。大事なのは、金額を決める前にこの分け方そのものを子どもと共有しておくことです。

なぜ「全部貯金」も「全部自由」もうまくいかなかったのか
最初に試したのは「全部貯金」でした。もらったお年玉はそのまま貯金箱に入れ、本人には触らせない方針です。安全ではありますが、半年後に息子から出た言葉が忘れられません。
「お年玉、結局どこに行ったの?」
「貯金箱の中だよ。大事に貯めてるよ」
「じゃあもらった意味ないじゃん。おじいちゃんたちにも申し訳ない気がする」
もらったお金を自分で使う経験そのものが、まるごと奪われていることに、この一言で気づかされました。お金の学びは「管理された数字」だけでなく、「自分で選んで使う」経験があってこそ育つのだと痛感しました。
一方で、知人の家庭では「全部好きに使わせている」というケースも聞きます。これも一見、子どもの自主性を尊重しているように見えますが、カードゲームやお菓子に数日で使い切ってしまい、後から「もっと計画的に使えばよかった」と後悔するケースも多いそうです。少なくとも、小3の息子にその自由をまるごと渡すのはまだ早いと判断しました。
わが家が決めた「3分割ルール」の中身
行き着いたのは、もらったお年玉を次の3つに分ける方法です。
- ①自由に使う分(目安3割):お菓子・カードゲーム・友達へのちょっとしたプレゼントなど、その場で好きに使ってよい分
- ②目標のために貯める分(目安4割):欲しいものが明確にある場合、その実現のために本人名義で管理する分
- ③将来のために親が預かる分(目安3割):教育費など将来のために、親が管理する口座に移す分
①自由に使う分―金額より「選ぶ経験」を優先する
3万円もらったなら、9千円前後がこの分です。息子はここから、好きなブロック玩具のパーツや、工作で使う材料を買っています。正直、親から見ると「それ本当に必要?」と思う買い物もありますが、ここは口を出さないと決めています。
失敗して後悔するのも、この分の範囲内なら安い学びです。実際、去年は欲しかったカードを衝動買いしてすぐ使わなくなり、「次はもう少し考えて買う」と本人が言うようになりました。これは私がどれだけ説教しても得られなかった気づきです。
②目標のために貯める分―「欲しいもの」を具体的に描かせる
この分は、お小遣い制度(※別記事で紹介した3ステップ)と同じノートで管理しています。もらった・使った・残りを自分で書く、あの方法です。
ある晩、リビングでこんな会話がありました。
「レゴの新しいシリーズ、8千円だった。お年玉の貯める分を足したら買えそう」
「いくら今貯まってるの?」
「ノートに書いてあるから見て。あと2ヶ月待てば足りる」
自分で値段を調べて、残りの金額まで逆算する姿に、ノートに記録する習慣がここでも生きていると感じました。欲しいものを我慢させるのではなく、「いつ買えるか」を自分で計算させる。これだけで、同じ「貯金」でも体験の質がまったく違います。

③将来のために親が預かる分―教育費の一部として組み込む
残りの3割は、将来の教育費の一部として私が預かっています。子どもにとっては「見えなくなるお金」なので、ここは納得感が大事です。「将来、〇〇(今やりたいこと)を続けるためのお金にしておくね」と、使い道のイメージを具体的に伝えるようにしています。
この預かり分をどう運用するか、どの制度を使うかは家庭ごとに事情が異なります。わが家は教育費全体の計画の中に組み込んでいますが、資産配分や投資判断は、最終的には読者自身の状況に合わせて検討してください。
比率やルールは、毎年のお年玉のタイミングで見直す
3:4:3という比率は、今の小3の息子に合わせて決めたものです。金額が増えたり、本人の管理能力が上がったりすれば、当然見直しが必要になります。
去年のお正月、寝る前のベッドでこんな話をしました。
「来年は自由に使う分をもう少し増やしてほしい」
「今年ちゃんと貯める分も守れたら、相談しようか」
「わかった。がんばる」
この「来年また話し合う」という前提があるだけで、ルールが一方的な押しつけではなく、子ども自身が育てていくものに変わる気がしています。お年玉は年に1回しか来ないからこそ、振り返りと更新のタイミングとしてちょうどいいのかもしれません。
まとめ|お年玉は「自由」と「管理」の両方を経験させる機会
お年玉の使い道について、わが家の考え方をまとめます。
- 「全部貯金」も「全部自由」も、お金の学びとしてはどちらも偏りがある
- ①自由に使う分・②目標のために貯める分・③将来のために親が預かる分の3つに分ける(目安3:4:3)
- 貯める分は、欲しいものの値段を自分で調べさせて「いつ買えるか」を計算させる
- 比率やルールは固定せず、毎年のお年玉のタイミングで子どもと話し合って更新する
完璧なルールを最初から作る必要はありません。わが家も「全部貯金」の失敗を経て、今の形に行き着きました。今年のお年玉で、まずは3つに分けてみることから始めてみてください。

コメント